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北区中里峽上遺跡(きたくなかざとはけうえいせき)

遺跡の特徴
 本遺跡は北区中里三丁目、田端六丁目、上中里一丁目、西ヶ原一丁目にまたがる、21万m2にも及ぶ大規模な遺跡(北区No.40遺跡)です。台地上に位置し、縄文・弥生・古墳時代・奈良時代・平安時代・江戸時代にかけての複合遺跡です。台地の北東下には中里遺跡と国指定史跡中里貝塚が位置します。また、古代の役所である武蔵国豊島郡衙(ぐんが)跡に隣接することから、遺跡の中心は古墳時代の後半頃から奈良時代・平安時代にかけてとなります。
 なお、遺跡名の峽上(はけうえ)の「峽(はけ)」は崖(がけ)の意味です。

ガラス小玉鋳型
ガラス小玉鋳型
ガラス小玉鋳型実測図
ガラス小玉鋳型実測図

トピックス

ガラス小玉鋳型(いがた)の発見!
 今回は、発掘調査でめったに見ることのできないガラス小玉鋳型を紹介します。
 ガラス小玉は通常ビーズ玉と呼ばれているもので、装飾等に使います。そのビーズ玉を作る鋳型が2点出土しました。
 奈良時代の19号住居跡の埋め土内から1点、江戸時代の耕作痕(畑)から1点、合計2点出土しました(写真と実測図参照)。
 鋳型1は長さ3.2cm、幅2.1cm、厚さ0.9cm、重さ10g、表面には特徴的な2段の穴が開けられていました。穴の直径は4mmほどです。穴の数は5穴認めることができます。鋳型の端の方の破片と思われます。表面の色は赤褐色です。
 鋳型2は長さ2.5cm、幅1.5cm、厚さ0.8cm、重さ3gあり、1よりさらに小さな破片です。こちらも表面には特徴的な2段の穴が開けられていました。穴の直径は1と同じ4mmほどです。穴の数は8穴認めることができます。鋳型の真ん中よりの破片と思われます。色は赤褐色です。
ガラス小玉の作り方
 まず、粘土板にガラス小玉の形をした円筒形の穴をたくさん開け、型穴(かたあな)とします。小玉の紐穴は、型穴の底に心棒をたてることによって作り出します。
 次に、型穴にガラスの粉をつめて加熱します。ガラスの粉は熱でとけ、表面張力により盛り上がり丸くなります。この作り方は、鋳型を二つ使う合わせ鋳型ではなく、鋳型は一つだけの開放鋳型と呼ばれるものです。(鋳型の穴にとけたガラスを流し込む方法ではありません)。
 鋳型が冷めたのち、穴から小玉を取り出し、仕上げを行ったようです。
鋳型の類例
 現在国内では約20遺跡60片ほどが出土するのみで大変貴重な資料です。都内では3遺跡目、関東地方では6遺跡目(東京都3遺跡、千葉県2遺跡、神奈川県1遺跡)となります。ガラス小玉鋳型の使われた時期は、古墳時代の始まり頃(4世紀前後)から奈良時代(8世紀)頃までです。なお、韓国でも似たガラス小玉鋳型が出土しており、鋳型を用いる技術は朝鮮半島から伝わった可能性が高いと考えられています。
 今回の発見は、古墳時代から奈良時代のガラス技術を知る貴重な資料となりました。


平成22年9月現在

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