2020年東京オリンピック競技大会を見据えて

世界で活躍するアスリートの育成に向けたスポーツ医・科学的サポートの可能性

気持ちはトレーニングで コントロール可能になる。 〜『理想的な心理状態(ゾーン)』をつくりだす〜

2017/09/11

高妻容一 高妻容一

まずリラクセーションで心をニュートラルに。

精神論ではなくテクニックで緊張を緩和。

落ち着け、平常心でいけ、集中しろ、余計なことを考えるな。
よく聞く言葉だが、そんなことを言われても、何をどうしていいのかわからない。そこにリラクセーションを行う意味がある。リラクセーションは何をどうすれば、緊張を緩和してリラックスできるかというスキル。いきなり気持ちをコントロールすることは難しいから、呼吸や身体動作により、身体を通して気持ちをコントロールしていくところがポイントだ。
毎日の練習の前に実施することで、気持ちを“スポーツモード"に切り替えることができる。
リラクセーションを毎日実施することは、リラックスするためのテクニックを毎日トレーニングすることでもある。

「自分が何をどうすればリラックス状態をつくれるのか。毎日行うことで感覚をつかみ、洗練することで、試合前や試合中もできるようになり、本番で実力が発揮できるようになるのです」

リラクセーションは難易度の高いテクニック。

イラスト版やさしく学べるメンタルトレーニング入門者用38P参照
イラスト版やさしく学べるメンタルトレーニング入門者用38P参照

リラクセーションのプログラムの手順はとても多く、この誌面では全てを紹介することは難しい。ここでは概略をあげるに留めるが、正しいリラクセーションを行うには、スポーツメンタルトレーニング指導士の資格を持った方の指導が必要となる。興味を持った方は、高妻氏の主宰する『東海大学メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会』の研究会や講習会などにまずは参加してみるといいだろう。

■リラクセーションの手順
1)音楽(音楽療法や心理学の裏付けのあるリラクセーションミュージックがおすすめ)
2)ペアになりお互い3つずつほめ合う(プラス思考にするコミュニケーション)
3)ヘッズアップ(姿勢・態度のトレーニングでプラス思考に)
4)スマイル(笑顔をつくることで意識してプラス思考に)
5)セルフマッサージ(顔・頭・首・肩・腕・手・お腹・背中・足を自分でマッサージして刺激を与えて気持ちを切り替える)
6)あくび(大きな声を出してストレッチをするようにあくびをして気持ちを切り替える)
7)呼吸と体の動きを合わせる呼吸法(身体の各部を動かす動作と吸う・吐くの呼吸をシンクロさせる呼吸法)
8)緊張とリラックスを感じるストレッチ(自分の身体と会話・チェックをする)
9)立ったままで行う漸進的筋弛緩法(身体の部位を順番に緊張させリラックスさせていく方法。立ったままで行うのは上級編であり、セルフコントロール能力を高められる。次の横になって行う初級編と組み合わせて行う)
10)横になって行う漸進的筋弛緩法
11)簡単なイメージトレーニング(頭の中をニュートラル・無心にするためのプログラム。使い捨てカイロ持った感触やそよ風の吹き抜ける大草原などをイメージする)
12)消去動作(ニュートラル・無心の状態から目を覚ますプログラム)
13)イメージトレーニング(まず自分のベストプレーを思い浮かべ、スローモーションで1回、50%のスピードで1回、フルスピードで1回身体を使って再現する)