今月の逸品

  • 東京都埋蔵文化財センター

過去に展示した今月の逸品

速報展示 真打 登場!


乾峯銘から幕末のなんちゃって乾山まで
似たような輩はちょいちょい見かけるが、
こいつはいよいよ真打だぜい!

乾山三種b のコピー.jpg

軟質陶器 錆絵重色紙皿(乾山銘)
江戸時代中期(約250年前)
納戸町遺跡(新宿区)

当コーナーでも、以前、その作風を巧みに写した「乾峯」銘の陶器群を紹介したことがあるように※、
京都の陶工・尾形乾山に対する評価は没後も依然高かったことが出土品からも明らかになっている。
(※vol.61「乾峯って何者?」令和元年7月)

今回紹介するのは、乾山銘の組物。
色紙に見立てた皿毎に異なる草花を描き、賛を添えるその作風から、
二条丁子屋町時代、すなわち乾山齢五十を過ぎて養子・猪八を二代に据え、多くの懐石具を手掛けた頃のものであろう。

これらは、前述例同様、旗本屋敷の18世紀後葉頃の廃棄資料中に含まれていた。
この小さな皿は、宮仕えの日々の中で文人に憧れていた幕臣たちの姿も映し出している。

次回の更新予定
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